2012年、12月9日(日)
私は、ホノルルの地で初めてのフルマラソンを走りました。
その頃、所属していた実業団チームから戦力外通告をうけ、
競技者として、走ることに人生の多くの時間を費やしてきた、
私の競技生活が終ろうとしていました。
兄の影響で、中学から長距離をはじめ、
人生のほとんどを競技者として生活をしてきた私にとって、
それは人生の輝きを失ってしまったような喪失感でした。
「これが最後の挑戦になる。」
私は、そう覚悟を決めて、
ホノルルマラソンのスタートラインに立ちました。
レースは終盤、
折り返し地点から、ハイウェイを走っていると
まだ折り返す前の、たくさんのランナーとすれ違います。
「日本人!頑張れ!」
「頑張れ!!まだいける!!」
ゴールまで続く、拍手と掛け声の応援のウェーブが、
最後の挑戦だと決めていた、私の心に響きました。
まだできる!
まだ挑戦してもいいんだ!!
この2012年のホノルルマラソンは総合9位、
日本人1位でゴールテープを切りました。
挑戦は、能力や環境で決めるものではない。
挑戦する気持ちを絶やさなければ、
誰でも挑戦し続けることができる。
この言葉には、フルマラソンは誰でも挑戦できる。
というホノルルマラソン設立者の一人である、
ジャック・スキャッフ医師の想いが込められている。
その日以来、日本人で初めての優勝を目指し挑戦しています。
ホノルルマラソンは私の挑戦のスタート地点です。
プロマラソンランナー taku
原田 拓